1日開催の「K-1

 WORLD

 MAX

 2008

 FINAL」(日本武道館)から、オープンスコアリングシステム(公開採点制度)が導入されることになった。9月30日、都内での前日会見で谷川貞治イベントプロデューサー(EP=47)が発表した。K-1では判定をめぐって試合後に選手からクレームがつくことも多く、優劣をより分かりやすくすることが狙い。魔裟斗(29=シルバーウルフ)らの評判も上々で、来年にはヘビー級でも採用することになりそうだ。

 K-1にもオープンスコアリングシステムが導入されることになった。谷川EPは「中量級のMAXでは僅差(きんさ)の試合が多く、判定をめぐって1大会で1回ぐらいは異議申し立てがあった。選手はもちろん、ファンにも優劣をより分かりやすくすることが狙い」と理由を説明。採点は1回と2回の終了後にアナウンスと大型ビジョンで場内に公表する。

 選手もこれを歓迎した。5年ぶり2度目の世界王座を狙う魔裟斗が「より公平になるし、試合もアグレッシブになっていいと思う」と賛同すれば、初の4強入りを果たした佐藤も「勝負をかけやすくなるので、僕も賛成です」と話した。経過が選手にも伝わることで、作戦や勝負どころがハッキリする効果がある。

 同システムはボクシングWBCが06年に導入し「分かりやすい」という意見が大半を占めている。谷川EPも「WBCの成功例もシステム採用の後押しとなった」と明言した。

 一方で不安要素もある。同EPは「一方が大差で勝っていた場合、3回に逃げて消極的な試合になってしまう可能性も」と指摘。さらに「結果を待つドキドキ感がなくなってしまうかもしれない」とも心配した。まずは試験的に導入し、ファンの反応を見るが、問題なければ「来年にはヘビー級にも採用したい」(同EP)。K-1が最盛期の人気を取り戻すべく、新機軸を打ち出した。【山田大介】