【ウィントフーク(ナミビア)24日=島篤史通信員】WBA世界ライト級13位嶋田雄大(たけひろ、37=ヨネクラ)が、異国の冬で屋外という完全アウェーで悲願を目指す。25日(日本時間26日)の2度目の世界戦会場となる当地ホテルで前日計量が行われ、嶋田は60・0キロ、王者パウルス・モーゼス(31=ナミビア)は60・7キロでパスした。

 嶋田は試合前最後の難関は楽々突破したが、まだまだ難関が待ち構えていた。会場はホテルの約350台収容する駐車場特設リングという屋外。しかも現在、南半球は冬。さらに標高1650メートル。そして、ゴングは午後11時ごろ。気温10度、体感温度は5度程度の予想という。嶋田も「そんなの、やってみないことには分からない」と言うしかない状況だ。

 モーゼスはナミビアにとって、史上2人目の世界王者となる。国民的ヒーローの初防衛戦に、初代ヌヨマ大統領も観戦に訪れる予定。同国にとって一大イベントだけに、約3000人収容の大会場とするために異例の舞台が設定された。

 嶋田が勝てば、日本人として37歳11カ月の最年長、海外挑戦27連敗阻止で17年ぶり王座獲得となる。完全アウェーでの決戦だが、現地入り後もホテルの自室に日の丸を掲げて精神統一を図ってきた。計量後には持参したレトルトのサンゲタンを食べた。兄太造さん(39)ら、たった5人ながら応援団も現地入り。ささやかなエネルギーも、快挙へ向けて勇気百倍だ。