<プロボクシング:日本フライ級タイトルマッチ10回戦>◇4日◇東京・後楽園ホール◇1500人

 WBC、WBA世界3位の日本フライ級王者・五十嵐俊幸(27=帝拳)が、初防衛に成功した。同級1位の元日本王者・吉田拳畤(34=ワタナベ)と対戦し、接近戦での激しい打ち合いを展開。8回、偶然のバッティングで相手が左目上を負傷してレフェリーストップとなり、同回1分14秒、負傷判定2-0で勝った。防衛成功で、世界王座挑戦へ視界が広がった。

 世界戦へ向けた「生みの苦しみ」だった。五十嵐は、開始直後から頭を突き出して距離を詰める相手に手を焼いた。陣営からの指示により、普段の間合いを捨てて自らも前進。互いの額が付く距離から左フック、ボディーブローを放ち続けた。偶然のバッティングで相手が左目上から大量流血し、負傷判定での勝利。「適応力をつけていかないと。この経験は次に生かせると思う」と前を向いた。目指すのは、WBC世界ライト級王者ポンサクレック。まずは同2位ウイカブを倒し、王者の指名を待たなければならない。五十嵐は「自分のボクシングを磨きたい」と向上心を高めた。