ボクシングのWBC世界フライ級王者・八重樫東(31=大橋)が万全の準備を整え、決戦の時を待つ。8月31日、今月5日の同級1位ローマン・ゴンサレス(27=帝拳、ニカラグア)との4度目の防衛戦に向け、横浜市内のジムで練習を打ち上げた。シャドー、ミット打ち、サンドバッグと、約1時間の軽めのメニューを消化。39戦無敗の最強挑戦者との大一番を前に、やることはやったという充実感が表情からにじみ出た。

 気持ち良さそうに汗をぬぐうと、「けがもないし、体調も崩していない。ここまでしっかり調整が出来た。あとはやるだけです」と言い切った。松本トレーナーも「仕上がりは万全。気持ちは強いので、心の部分は大丈夫。このまま調子を落とさないように当日を迎えたい」と話した。

 減量も残り1キロ程度と想定通り。今日1日は完全休養日とし、2日に都内で行われる予備検診で、ゴンサレスと対面する。V3戦前の会見で「勝てばロマゴンの挑戦を受ける」と公言し、ファンの称賛を受けてから約半年。下馬評では、ゴンサレスの圧倒的有利は変わらない。だが、本当の喝采をリングの上で浴びる準備は出来ている。【奥山将志】