大相撲の横綱審議委員会が23日、都内で開かれた。冒頭には、20日に急逝した北の湖理事長(享年62=元横綱)に黙とうがささげられた。

 守屋秀繁委員長は「相撲の人気回復に大変尽力された方の、突然の訃報。大変驚きました。ただ、ご冥福を祈るだけであります」と哀悼の意を示した。

 驚かされたのは、記憶力のすごさだったという。「『北の湖関がはたき込みで勝ったことはないでしょう』という質問があったときに『自分は力士生活の中で3番だけ勝ったことがある』とちゃんと刻銘に覚えていた。『私は自分が取った相撲は全部覚えています』とおっしゃっていたので、大変驚きました。その全知能、全精神力を相撲界のために貢献なされた偉大な方だと思っています」と思い出を振り返った。

 また、横綱北の湖については「ご自身がおっしゃっていましたが、土俵であまりにも強すぎて『憎たらしい』とずいぶん言われた、と。一時、朝青龍が憎たらしいと言われたことがありましたが『朝青龍に比べたら、自分の方がよっぽど憎たらしいと言われた』と、笑顔でおっしゃっていられれました」と当時を懐かしがった。