29日に始まる夏巡業から、力士をはじめ行司ら裏方を含めてすべての未成年の相撲協会員が、巡業に同行しないことが19日、分かった。

 巡業では昨年、秋に元横綱日馬富士関が暴行、冬に元立行司の30代式守伊之助が若い行司にセクハラと、酒席の不祥事が相次いだ。関係者は「未成年者は未熟で飲酒や喫煙に手を出しかねない。でも巡業では親方衆の目が行き届かないことも多いので、部屋で責任を持って指導するのが好ましいということ」と説明した。

 4月の春巡業までは参加者の年齢に制限はなかったが、今場所前に日本相撲協会執行部が話し合って決めた。芸能界などで未成年者による飲酒、喫煙がたびたび取りざたされたことも影響したという。別の関係者は「不測の事態に巻き込まれないための予防策」と、真偽不明なSNSの情報などが独り歩きすることも懸念した措置だと明かした。

 一方で相撲協会員の中には「10代の手も借りないと付け人が足りない部屋はどうなるの?」「将来、10代の大関や横綱が誕生した時はどうするの?」という声も少なくない。未成年者抜きでの巡業は、当面続ける予定だという。