[ 2014年5月13日11時29分

 紙面から ]3月5日、ニュージーランド戦でプレーする青山

 アオ、サンフレッチェの誇りだ!

 広島MF青山敏弘(28)が12日、6月開幕のW杯ブラジル大会の日本代表に選ばれた。広島からは06年ドイツ大会の駒野友一(現磐田)以来2大会ぶり2人目。Jリーグ2連覇に導いた国内屈指の主将&ボランチは、広島愛を胸に大暴れする。

 青山が、Jリーグ王者の誇りを胸にブラジルに乗り込む。ザッケローニ監督が「アオヤマ」と口にした瞬間、紫軍団に2人目のW杯戦士が誕生した。14日のACL決勝トーナメント1回戦第2戦のために、オーストラリア遠征中。宿舎では仲間に祝福され、目には涙が光った。

 「あまり表には出さなかったが、正直不安だった。感動的な発表になった。ザッケローニ監督も自分を戦力として選んだと思う。しっかり準備し、試合に出て、勝利に貢献できるように頑張る」

 J1で2連覇中のチームで文字通りの大黒柱だ。広島のパスサッカーは、豊富な運動力と広い視野を持つ青山がいて、初めて成り立つ。Jリーグのパフォーマンスが認められ、広島で唯一の代表選手として乗り込む。

 広島愛にあふれている。13年シーズン前、当時26歳の青山は「5年契約にしてください」と申し出て長期契約をかわした。本人が望めば、海外移籍の可能性も十分あるボランチが“生涯広島”ともいえる契約を選択。理由について、本人はかつて「(家電量販店でスポンサーの)エディオンですよ。エディオンは(購入方法によっては製品が)5年保証でしょ」と説明した。自身もクラブへ長期にわたって活躍するという覚悟を決めた。

 「面白いところでサッカーがやりたい。広島がサッカーをするのが一番面白い」。リーグ優勝との2冠を狙った今年の元日。天皇杯決勝で横浜に敗れて、青山はひと目もはばからずピッチ上で号泣した。熱いハートを持つボランチがサンフレッチェの看板を背負って、サッカー王国ブラジルに向かう。