[ 2014年5月21日7時13分

 紙面から ]イタリアから帰国し「必勝」はちまきを手に笑顔を見せる長友(撮影・狩俣裕三)

 ブラジルでレジェンドになる!

 日本代表DF長友佑都(27=インテルミラノ)が20日、W杯ブラジル大会(6月12日開幕)へ向けての代表合宿(21~25日・鹿児島)に参加するため成田空港着の航空機で帰国した。名門インテルでレギュラーに定着するなど、10年南ア大会から大きく成長。「語り継がれるようなプレーヤーになりたい」と優勝だけでなく壮大な目標を掲げた。

 みなぎる自信を手土産に、長友が帰ってきた。今季インテルでは、自己最多の5得点。それでも「自分の目標には達していない。数字的なものでは10得点、10アシストだった」と言うのも、手にした自信が大きかったから。その自信を証明する舞台がW杯だ。

 「正直、今の自分のプレーは3年たてば忘れられてしまう。このW杯を機に忘れられないような、記憶に残って語り継がれるプレーヤーになっていきたい」

 W杯でレジェンドと言えば、ペレ、クライフ、マラドーナ…。そんな並み居るスーパースターたちへの仲間入りを宣言した。

 10年南アフリカ大会は全4試合にフル出場。だが世界を相手に印象を残せたわけではない。チーム戦術もあり、守備に重点を置いたスタイルでは100%の力を発揮できなかった。

 「4年前はどんな大会だろうと、緊張して硬くなっていた」。だからこそ今回は、貫くであろう攻撃サッカーが楽しみで仕方がない。「才能は自分で作れるもの。才能がないと言われ続けた選手が、これだけの結果を残せる。今の自分は1対1で止められる気がしない。それをW杯で見せたい」と真っ向勝負を誓う。

 この4年間、四六時中「W杯」という言葉が、頭にこびりついていた。「練習中もそうだし、風呂も、ご飯の時も。読書をしていても、W杯のことを考えてしまって内容が頭に入ってこなかった」と笑った。だからこそ成長出来た4年間だった。「自分の中で感じたことのない思いがある」。

 2日間のオフを挟み、代表合宿には23日に合流予定。「正直、休みはいらない。自分の感じでは今が80%。初戦(のコートジボワール戦)に100%に持っていきたい」。世界に向け、存在を発信する道筋は見えている。【高橋悟史】<W杯の主なレジェンド>◆ペレ(ブラジル)

 エースFWとして17歳でデビュー。58、62、70年と3大会で優勝した。サッカー史上最高の選手。◆ヤシン(ソ連)

 長い手足と積極的な飛び出しで活躍した史上最高のGK。4大会に出場し、66年大会でベスト4。◆チャールトン(イングランド)

 66年地元大会で「キャノンシュート」を武器に中盤を制して優勝。◆ベッケンバウアー(西ドイツ)

 20歳で66年大会MFとして準優勝。リベロとして74年に優勝した。監督で90年優勝。◆ミュラー(西ドイツ)

 70年大会は10ゴールで得点王。74年地元大会は決勝オランダ戦のゴールなどで優勝に導いた。◆クライフ(オランダ)

 出場は準優勝の74年大会だけだが、トータルフットボールで旋風を巻き起こした。◆プラティニ(フランス)

 78年から3大会に出場し、82年ベスト4、86年3位。「四銃士」と呼ばれた中盤を支配。◆マラドーナ(アルゼンチン)

 82年から4大会連続出場。86年大会は「神の手ゴール」「5人抜きゴール」で優勝。◆バッジオ(イタリア)

 90年から3大会で3位、準優勝、ベスト8。94年決勝ブラジル戦ではPK戦で失敗。◆ロナウド(ブラジル)

 準優勝の98年大会でMVP、02年大会は得点王を獲得して優勝。W杯通算15得点は歴代トップ。