[ 2014年5月30日7時46分

 紙面から ]成田空港に到着し、搭乗ゲートへ向かう本田(撮影・下田雄一)

 FW本田圭佑(27=ACミラン)が、優勝を目標とするW杯ブラジル大会に向けて「最高のプレーを見せる」と予告した。サッカー日本代表は29日、米フロリダ州タンパ近郊で行う事前合宿に向けて成田空港から出発。本田は出発前に公式ホームページに「四年に一度のW杯に行く前に」と題してコメントを発表した。

 成田空港内に作られた専用レーンに、日本代表が姿を現すと約700人のファンから大歓声が上がった。隊列の中盤でサングラスをかけた本田は、前を見据えて入場口に向かった。サポーターは太鼓をたたき「ニッポン」コールを大声で張り上げた。騒がしさと混乱の中、本田は表情を変えることなく歩を進めていた。

 出国審査を通過した後も騒がしさは続いていた。搭乗前の利用客から声援を受けるとわずかにうなずき、応えた。普段の成田空港で見せる鮮烈なカラーのファッションとは一変し、紺色の公式スーツにネクタイ。落ち着いた色合いに闘志と決意を秘めた。

 出発前、公式ホームページにコメントを掲載した。

 今まで培った経験を、すべてブラジルにおいてこれるように、最高の準備をしてプレーしてきます。最高のプレーを見せるので、絶対に最後まであきらめずに、応援してください。本当にありがとうございます。

 W杯ブラジル大会を集大成と位置付けて「W杯優勝」を公言し続けてきた。CSKAモスクワで過ごした4年間。そしてイタリアの名門ACミランに移籍し、壁にぶつかり続けた半年間。どんな出来事も、すべてはこのW杯のためだった。優勝という言葉を信じて、声援を送ってくれたサポーターへの感謝を、出発前にどうしても伝えたかった。その思いに応えるという決意と、目標に届くという自信をあらためて記した。

 南ア大会以降、本田は心の奥底にある目標を曲げなかった。ぶれなかった。自分の力、日本の地力を信じ続けた。乗り込んだチャーター機の名は「ドリームライナー」。機内ではFW岡崎の隣に座り即席ミーティングを行いながら、夢へと続く夜空へ飛び出した。【高橋悟史】<本田の10年南アフリカ大会>

 ◆1次リーグ(L)カメルーン戦

 1トップで先発。前半39分にMF松井からのクロスを左足で押し込み、勝利を呼び込む。「昨日が誕生日だったから(運を)持っているかな」。

 ◆1次Lオランダ戦

 徹底マークされ、シュート2本で枠をとらえられず。0-1の敗戦に「あまり楽しめなかった」。

 ◆1次Lデンマーク戦

 前半17分、無回転FKで先制。後半42分にはFW岡崎の得点をアシストし、3-1の勝利に貢献。「まだ先に進みたい」。

 ◆決勝トーナメント1回戦パラグアイ戦

 延長戦まで120分プレーし、シュート2本。PK戦では4人目のキッカーで決めたが、敗れた。