苦労が芽吹いた。荻野は、4年前にAKB48第15期生の仮研究生になるも、最終的には落選。翌14年のバイトAKBを経て、2年前の第2回AKB48グループドラフト会議で、新たに発足するNGT48に指名された。何が何でもAKB48グループアイドルになりたくて、故郷埼玉を離れて雪国でようやくデビューできた雑草だ。だから、人一倍にアイドル活動に精を出す。気づけば熱烈なファンがついていた。

 「総選挙は人気順というよりも『熱い順』だと思っています。NGT48は熱い。その中でも私のファンが一番熱いと、全ての人に知ってもらいたいです。私自身には、何も1番になれるものがないけれど…」と、照れながらも熱く語る。

 実は、総選挙立候補直後には、にっこり笑って、こうも話していた。「この総選挙は、指原さんにも気持ちでは負けないぐらい熱くいきたい。会場は沖縄なので、絶好の荻野日和だと思います」。

 冗談でも夢でもない。速報で、指原を超えてみせた。「まだ速報ですから、これからもNGT48一丸となって、新潟旋風を巻き起こしたいと思います」。無名のシンデレラの出現で、半月後の結末が、全く分からなくなってきた。【瀬津真也】

 ◆荻野由佳(おぎの・ゆか)1999年(平11)2月16日、埼玉県生まれ。13年にAKB48第15期生の仮研究生となるも、正規メンバーからは落選。14年9月にバイトAKBオーディションに合格し、約半年間活動したのち、15年5月の第2回AKB48グループドラフト会議でNGT48から指名を受けて加入。16年1月に劇場デビューし、同5月からチームN3の副キャプテンを務めている。160センチ。血液型A。