田中麗奈(27)東山紀之(41)が20日、山形県鶴岡市内で行われた08年やまがた映画博のオープニングセレモニーに特別ゲストとして出席した。作家藤沢周平氏の短編小説が原作の映画「山桜」(篠原哲雄監督、5月31日公開)の撮影を同地で行ったのは1年前。再び桜が満開の季節に訪れ、映画の完成を報告した。

 田中はピンクの靴、東山はピンクのシャツにネクタイと、それぞれ桜色でコーディネート。共演シーンは満開の山桜で出会う場面だけだが、田中は「(東山が演じた)手塚様と再会して、あの時を思い出しました」。東山は「散らずに待っていてくれましたね。違う衣装でしたが、年がいもなく着替えたくなりました」。

 2度目の結婚生活も失意のうちに過ごす女性(田中)といちずに思いつづける武士(東山)を中心に描く。冒頭以外、東山のセリフはほとんどないが、製作側は凜(りん)としたたたずまいを高く評価。「画面が引き締まる」として、編集段階で東山の出演シーンを5割も増やしたという。

 東山は「こんなにしゃべらない役は初めて」と驚いたが「口に出すよりも思いは大きかった。こんなに人を思うことができたら幸せ。こういう生きざまの男は素直に格好いいと思いました」としみじみと話した。