女座頭市が、美しくスクリーンをぶった切る-。25日から全国公開される映画「ICHI」の主演を務める女優の綾瀬はるか(23)が8日、PRのため曽利文彦監督(44)とともに、仙台市を訪れた。

 盲目の剣客、市を大胆にも女性に設定した同映画。かつての座頭市は勝新太郎のシリーズや、北野武の作品があまりにも有名だ。綾瀬は「これまでの作品も拝見しましたが『ICHI』は『ICHI』として台本を読んだ」と、過去にとらわれず撮影に臨んだ。本格的な殺陣は初めてで、撮影開始直後には指を切ることもあったという。

 曽利監督は「過去の作品のプレッシャーを受けずに、新たなダークヒロインをつくり上げるつもりでやった」と語る。綾瀬には表現力を求め、セリフを極力なくした。「目力を奪い取って出た表情が絵になった」と綾瀬の演技を評価。美しさや繊細さもキーワードとした。「女性の視点から時代劇を描き、面白い試みになった」と今回の作品に自信をみせた。【清水智彦】