<映画大賞:新人賞>

 日刊スポーツ映画賞新人賞は「僕の初恋をキミに捧ぐ」「重力ピエロ」などで岡田将生(20)が受賞した。

 ビジュアルと演技力を兼ね備える新人が日本映画界に誕生した。岡田がこの1年間に出演した5作品はすべてが主役級。そのすべての作品での存在感が評価された。「素直にうれしいし、やっと俳優として1歩踏み出せたかなという感じ。映画に携わってきて単純にすごく楽しくて、まっすぐに取り組んでたので、良かったです」。静かに喜びをかみしめた。

 今年20歳を迎えた。この節目の1年を駆け抜けた。「忙しかったといえば忙しかった。でもすごく充実してて、20年間生きてきた中で今年が一番、時間がすぎるのが早かった」。

 5作品の中でも岡田が一番愛を感じるのは「重力ピエロ」。天真らんまんに生きつつ、つらい過去から心に闇を持つ弟の役を演じたが「そういう役ほどやってて楽しい」とニヤリ。それでも、演じた作品の中で「どれが一番悩んだとかはないですね。日々悩みながら演じてますから」。

 将来性が高く期待されている。「期待を裏切りたくないですね。でも僕は自分のペースで自分と戦っていきたい。今は一生懸命やって、それを次へとつなげていくだけです。本当は、こんな賞もらっていいのか、なんで僕なんだって思いました。まだまだです。成長したいですね!」。1歩ずつ、スターへの階段を昇っていくつもりだ。【田中理恵】