「スター・ウォーズ」シリーズ最新作「フォースの覚醒」の公開まで1カ月を切り、いよいよ公開までのカウントダウンが始まる中、ジョージ・ルーカス監督が同作を手放した真の理由を語って話題になっています。

 ルーカス監督はいわずと知れたスター・ウォーズの生みの親であり、1977年に公開されたシリーズ1作目「スター・ウォーズ/新たなる希望」で監督を務めた後、2作目「帝国の逆襲」と3作目「ジェダイの帰還」では製作側に回ったものの、4作目「ファントム・メナス」以降の3作品では再びメガホンをとっています。しかし、「フォースの覚醒」のメガホンをとったのは、J・J・エイブラムス監督で、「クリエイティブ・コンサルト」の肩書はあるものの、新作とは完全に距離を置き、ほとんど関わっていません。これまで表に出て多くを語ることのなかったルーカス監督が、CBSテレビとヴァニティ・フェア誌のインタビューに相次いで応じ、愛するスター・ウォーズをなぜ手放すことにしたのかを激白したのです。

 ルーカス監督は2012年に自身の映画製作会社「ルーカスフィルム」をディズニーに売却し、本作はディズニーの下で製作されています。かつてのインタビューで、新作の脚本をディズニーから却下されたことを明かしたことがありますが、このほどのインタビューでは自らの意思でスター・ウォーズとは完全に決別をしていたこと告白しました。

 「映画を作っても批判ばかりされ、つまらなくなったから」と監督を辞めた理由を語ったルーカス監督ですが、「自分が決める前に、周囲の人たちがどうすべきなのか決めようとする。何かを試みることができなくなった。決められたやり方でやらなければならなくなり、それが嫌だった」と、自らが作りたい作品がもはや作れなくなってしまったことが原因であると説明。さらに、「彼ら(ディズニー)がストーリーを見て、“我々はファンのために何を作りたいのか考えなければいけない”といわれた。でも、これは家族の物語で、宇宙船についての話ではなくメロドラマであることを分かっていない」と一歩突っ込んで発言。「彼らは自分たちがやりたいようにすることを決め、私には関わって欲しくなかった。もし私が関わろうとすると、私は彼らがして欲しいようにはしないから問題を起こすだけだから、“OK。私は自分の道を行くから、勝手にすればいいよ”と言ったんだ」と激白。その後は完全に一線を引き、関わることをやめたとも語っています。

 同シリーズを作ったルーカス監督に敬意を払っていると語っているエイブラムス監督がどこまでルーカス監督の想いを受け継いでいるのかは、本作の公開を待つしかありません。「フォースの覚醒」は12月18日に公開されますが、そこでファン自身が過去から引き継がれてきたスター・ウォーズの未来を確かめることになりそうです。

【千歳香奈子】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「ハリウッド直送便」)