日本テレビ系の人気番組「笑点」で、1969年(昭44)から足かけ55年もレギュラー出演していた林家木久扇(86)が、3月31日の放送を最後に卒業しました。

すでに収録は終えていましたが、前日の30日に東京ドームでの巨人対阪神戦で始球式に登板し、長年愛用したイエローの着物をイメージした法被型手ぬぐいや巾着、クリアフォルダーの記念グッズ3点が「日テレ屋」で発売。おまけに「ありがとう木久扇ラーメン」が期間限定で発売されたり、にぎやかに最後を飾りました。

一方で気になるのは、木久扇に代わって登場する新メンバーですが、まだ公表はされていません。2年前の林家三平の後任に桂宮治、亡くなった三遊亭円楽の後に春風亭一之輔が決まった時は、事前に新メンバーをめぐって取材合戦が展開され、いろいろな候補者の名前が挙がったものです。それに対して、今回ばかりは何か静かな気がします。

その理由としては、日本テレビ側のガードが厳しく、関係者に厳しいかん口令が敷かれていることもあって、スクープすることが難しいこと。そして、昨年8月の木久扇の卒業公表後に、候補として何人かの名前が挙がっていますが、女性落語家の蝶花楼桃花だったり、木久扇の息子の林家木久蔵だったり、ある程度、予測可能な人の名前しか浮上していないこともあって、盛り上がりに欠けるのでしょう。

新メンバーの登場は次回の4月7日の放送となるようです。半世紀以上も「笑点」の顔だった木久扇の後を埋めるのはなかなか大変なことだと思いますが、誰が新メンバーとなるのでしょうか。私の勝手な一押しは桃花ですが、発表が待ち遠しいですね。【林尚之】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「舞台雑話」)

蝶花楼桃花(左)と林家木久蔵
蝶花楼桃花(左)と林家木久蔵