NHK経営委員会の浜田健一郎委員長は24日、従軍慰安婦問題と放送をめぐる発言が国会などで批判されたNHKの籾井勝人会長に対し「事態を一刻も早く収拾し(国会で)NHKの予算が全会一致で承認を得られるように最大限の努力をしてほしい」と申し入れた。経営委終了後に浜田委員長が明らかにした。

 籾井会長は5日の定例会見で「従軍慰安婦の問題は政府のスタンスが見えないので放送は慎重に考える」と発言。浜田委員長によると、籾井会長は24日の経営委で「(いつどのような形で取り上げるか)慎重に検討していかなければならないという趣旨だった」などと釈明したという。

 浜田委員長は「会長の真意は理解したが誤解を招く発言だった。NHKを取り巻く環境が混乱しているのも残念」と申し入れの理由を説明した。

 発言をめぐっては、民主党などから「不偏不党や中立公正などの前提が欠けている」と批判の声が上がっていた。

 籾井会長は昨年1月の就任会見で「政府が右と言っているものを左と言うわけにはいかない」と発言したことなどについて、浜田委員長から2度注意を受けている。