21日にすい臓がんのため亡くなった歌舞伎俳優の坂東三津五郎さん(享年59)の告別式が25日、東京・青山葬儀所でしめやかに営まれた。

 弔辞で尾上菊五郎(72)が「若手をかわいがって、育ててくれました。3年後、5年後、10年後に君のまいた種が花咲き、歌舞伎界を背負って立つと思うと私も楽しみです」と称賛。

 喪主を務めた長男坂東巳之助(25)についても「立派な役者にしてみせます」と誓った。また、三津五郎さんは城好きとして知られたが、「あなたは姫路城が好きと言っていたけれど、ホステス嬢、キャバクラ嬢も好きだった。向こうの世界のネオン街でいい店を探しておいてください」と粋なあいさつで締めくくった。

 巳之助も喪主あいさつで「心から父を尊敬します。父の芸は誰にでもできるような小さな努力を誰にもまねできないほど膨大な数を積み重ねた、ひとつの究極の形だったと思います」と話した。