女優吉永小百合(69)が10日、東京・千駄ケ谷の津田ホールで、翌11日にリリースする朗読CD「第二楽章 福島への思い」完成記念朗読会「祈るように語り続けたい」を開いた。

 1986年(昭61)から広島、長崎原爆詩、沖縄戦の朗読CD3枚を出してきたが、9年ぶり4枚目の今作で、東日本大震災と福島第1原発事故に見舞われた福島県民の「脱原発」への思いを読み、復興支援を目的に作り上げた。CDで音楽を作曲した、尺八奏者の藤原道山がこの日も演奏した。

 吉永はこの日、CDの中でも取り上げた、福島市の詩人和合亮一さん、福島第1原発事故で富岡町から避難した佐藤紫華子(しげこ)さん、そして和合さんが10年からプロデュースする福島の小中学生対象の「詩の寺子屋」から詩を読んだ。「今日は特別ですね。出来たCDを全部、聴いていただいた。詩を書いた人の思いを受け止めて…読む方も、すごくつらい。でも、福島への強い思いがある」。この日は佐藤さんと「詩の寺子屋」から5人の子どもも招待した。

 CD制作のきっかけは、11年7月に広島原爆の被爆者でもあるデザイナー三宅一生氏の依頼で原爆詩の朗読を行った際、東日本大震災で被災後、ツイッターで詩を発表し続けた和合さんの詩を託され、読んだことがきっかけだった。その後、佐藤さんが自費出版した詩集「原発難民」を知り、12年4月に福島市で朗読。13年3月に朗読CDの制作を考え始め、昨年10月に制作を開始した。

 吉永は明日11日、東日本大震災から4年を迎える状況を受け「とにかく、あっという間に、何も解決しないまま…残念な思いがある。何で4年間も進んでないんだろう。私たちは忘れない、というメッセージを送りたい」と復興が進まない現状に疑問を呈しつつ、復興支援への熱い思いを口にした。

 CDの吉永分の印税は、全て被災者のために寄付する。