女優波瑠(23)が、9月28日スタートのNHK連続テレビ小説「あさが来た」(月~土曜午前8時)のヒロインに決定した。12日、NHK大阪放送局と東京放送局で会見。4度目のオーディションでついにヒロインの座を勝ち取ったことを笑顔で明かした。同作は、相撲好きなおてんば娘が成長し、次々と事業を成功させる物語。合格の決め手は相撲実技だった。

 応募2590人。朝ドラ4度目のオーディションを勝ち抜き、波瑠に春が来た。前夜、合格の報を受けたが、一夜明けてようやく実感がわいたという。「朝ドラのヒロインは憧れでした。心臓がつぶれてしまいそうです。やっとやらせていただける。毎回、最後の審査まで行った時は悔しい思いでした」

 「純と愛」「あまちゃん」のオーディションでは最終選考で落選。「てっぱん」にも挑戦していた。

 「芸能事務所に入って10年。続けてきて本当に良かった。母と祖母の喜ぶ顔が見られるのがうれしい」。落ちても諦めなかった理由を聞かれると、「負け続けた悔しさ。今度こそという気持ちが強くなりました。悔しい思いで、決まったヒロインを見ていましたから」と説明した。

 「あさが来た」は、朝ドラ史上初の幕末からのスタート。ヒロインの白岡あさは、京都の豪商の娘に生まれ、正義感が強く、相撲を取るのが好きなおてんば娘。成長し、次々に事業を成功させる60代までを描く内容で、合格の決め手も相撲だった。放送開始後しばらく、ヒロインが相撲を取るシーンがあるため、2次審査では、受験女優同士で相撲を取っていた。

 「無我夢中で相撲を取りました。勝てば受かると考え、必死に頭を真っ白にしながらやっていました。足の爪が欠けましたけど」

 その姿に胸を打たれた佐野元彦チーフプロデューサー(55)は「顔を真っ赤にドカンとぶつかっていっても、お嬢様の設定に必要な品があった。相撲も強かった」と振り返った。

 大阪放送局での制作で東京生まれの波瑠は「大阪のおいしい物を食べて体から大阪人になれたらいい。串カツが大好きです」と笑い、「視聴者にパワーをあげられるヒロインになりたいです」と抱負を口にした。

 ◆波瑠(はる)1991年(平3)6月17日、東京都生まれ。06年に女優デビューし、雑誌「セブンティーン」専属モデルでも活動。昨年9月公開の映画「がじまる食堂の恋」に主演するなど、多くのテレビ、映画に出演。今年1月公開の映画「アゲイン 28年目の甲子園」にも出演した。趣味はドライブ、長風呂。164センチ、B78-W57-H80センチ。血液型O。

 ◆「あさが来た」 NHK連続テレビ小説初の幕末からの設定。生まれた時から婚約者を決められ、大阪の両替商に嫁いだ女性が、気前のいいボンボンの夫から仕事を丸投げされ、戸惑いながらも事業を成功させ、「大大阪(だいおおさか)」の一翼を担っていく。時代に先駆け、銀行、生保を設立し、後には日本最初の女子大学設立に尽力した広岡浅子がモデル。金もうけのためではなく、少しでもみんなが幸せになる世の中の実現のため、生き抜いたヒロインを描く。