俳優溝端淳平(25)が、蜷川幸雄氏(79)演出のシェークスピア劇「ヴェローナの二紳士」(埼玉・彩の国さいたま劇場、10月12~31日)に主演することが3月31日、分かった。蜷川演出でシェークスピア全37戯曲の上演を目指し、98年に始まったシリーズ第31弾。全ての役を男性が演じるオールメール作品となる。

 「ヴェローナ-」はシェークスピアの最古のコメディー。溝端が演じるのはヴェローナ在住の娘ジュリアで、恋人を追ってミラノ入りしたジュリアは、男装してセバスチャンと名乗る。他の娘に心を奪われるプロティーアスは、セバスチャンの正体がジュリアだと気付かずに小姓に起用する内容の喜劇だ。

 主演のきっかけは、溝端が「自分も25歳。このままではいけない」と蜷川氏に漏らしたことだった。「シェークスピアの作品を蜷川さんの演出でやるのは誰もが憧れる。俳優になったときの目標だった。俳優人生で一生の宝になる」。その思いに応えた蜷川氏は「あの大きな目がいい。シェークスピアで女性役だけど、これは愛のむち。俳優として次のステップに昇って欲しい」と期待している。