尾木ママこと教育評論家の尾木直樹氏(68)が、神戸市で1997年に起きた連続児童殺傷事件の加害者男性(32)が、「元少年A」の名前で執筆した手記「絶歌(ぜっか)」(10日発売)について、出版元である太田出版に回収を勧めた。

 事件で殺害された土師淳君(当時11)の父守さん(59)が「私たちの思いを踏みにじるもの」と抗議していることもあり、同書は賛否両論を巻き起こしている。

 尾木氏は10日深夜には「今後の再発防止のためにも分析読みしてみたい…けどひっかかる…胸に詰まるものある」と複雑な心境をブログにつづっていた。しかし11日朝には結論が出たようで、「(手記を読みたくないのは)サカキバラの残忍な殺人行為を認めてしまうことにつながる怖さ感じるからだと思います…」として「読みたくないです」と自身の考えを示していた。

 さらにその後、「出版を中止して、既に配本されている本は即刻回収した方がいい!」とまたもブログを更新。出版社の「社会考える契機に」という動機より、遺族の思いをはるかに尊重すべきだと主張。第3者による手紙のやり取りや取材を通して書かれた本ならまだ抵抗は少なかったかもしれないそうだが、「『本人の手記』はないですね…あってはならないと思います…」と訴える。「出版社も残念ながら企画意図が社会的モラルと大きなズレがあったようですね…」と続け、「即刻回収してご遺族にお詫びされるのがいいのではないでしょうか!?」と提案した。