喉頭がんのため声帯を摘出した音楽プロデューサーつんく♂(46)が3日、東京ドームで行われたプロ野球楽天-日本ハム戦で始球式を務め、見事なノーバン投球を披露した。今年4月4日、母校近大の入学式で声帯摘出を発表して以来初めて公の場に姿を現した。

 試合開始直前に、シャ乱Qの「ズルい女」が流れる中、登場。首に白いストールを巻き、小走りでマウンドに向かった。背番号は名前にちなんで「29 TSUNKU♂」。大きく振りかぶった右腕から投げられた球は、左打席に立つ松井稼頭央の背中を通過。ノーバンでミットに収まると、ドームは「うおおおおお!?」とどよめきに包まれた。その後、マウンド上で楽天三木谷浩史オーナーと抱擁し固く握手。拍手を受けながらマウンドを降りた。

 つんく♂にとっては、約18年ぶりの大役だった。投球後、事務所を通じてコメントを発表。「とっても楽しい時間でした。たった1球ですが、気持ちよかったです! 突き抜けるようなかっこいい新曲が2、3曲作れちゃいそうなそんな気分です! ボール球でしたが、ノーバウンドで届きましたね」と喜んだ。その後は家族とともに試合を観戦した。【横山慧】