5月のフランス・カンヌ映画祭で監督賞を受賞した、台湾のホウ・シャオシェン監督(68)が来日し、3日、都内の松竹本社で受賞作「黒衣の刺客」(9月12日公開)の会見を開いた。

 席上に、出演した忽那汐里(22)が駆けつけ、花束をプレゼントした。

 忽那は妻夫木聡(34)演じる遣唐使船乗組員の日本人青年の妻を演じ、回想シーンに登場する。撮影に5年もかかった大作で、忽那の撮影も5年前に終了している。この日、忽那と再会したホウ監督は成長ぶりに「すごく大きくなり、きれいになってオードリー・ヘプバーンみたいだと思った」と驚いた。

 カンヌ映画祭で公開したバージョンでは、忽那の出演シーンはカットされた。カンヌ映画祭の時点で、ホウ監督は「日本バージョンでは戻そうかと」と再編集を示唆。今回、日本で公開されるのは監督が強い希望で再編集した日本オリジナルのディレクターズカット版となる。忽那は「撮影がどの程度進んでいるか全然、分からない中、やっと完成した作品を見ることができた。研ぎ澄まされたメッセージがあって、今の時代に多くの日本人の方に理解してもらえたらうれしい」。