5月28日に胃がんのため67歳で亡くなった漫才師、今いくよさん(本名・里谷正子)の「お別れの会」が4日夜、大阪・なんばグランド花月で行われ、同日夜、高校時代からの親友で相方の今くるよが取材に応じた。

 会の中では、漫才映像も流され、くるよは「もう1回、漫才させてくれって思った。でも、いくよちゃん、もうおれへんし。いくよちゃんと漫才がしたい。漫才するときだけ、帰ってきてくれへんかな」。相方を亡くして2カ月が過ぎたが「寂しさは深いねんな。なんかあって、電話(で相談)しよ思うても、もうおらへんもん」と言い、懸命に涙をこらえた。

 男女、年齢を問わず慕われ、姉貴分だったいくよさんは、くるよにとっても「お姉さんで、お母さん」のような存在だった。

 「これから? どうしようって…いや、どうしたらええんやろか?」。くるよは、今後を考え、取材陣に“逆質問”もした。

 それでも、いくよさんと約40年、抱き続けてきた芸人魂は健在。いくよさんといえば、オシャレで知られ、つけまつげ、メーク道具にはこだわりを持っていた。葬儀の際、棺に眠るいくよさんは、旧知のメークさんに化粧を施され、くるよはそんな相方の顔を「(棺から)まつげが飛び出るぐらい、バッチリやった」と笑わせた。

 気配りの人だったいくよさんは、亡くなって2カ月が過ぎた今も「あっちこっちであいさつしてるから、まだ天国についてないんちゃうか。まだ今でも『すいません』言うてるわ」と話していた。