NHK総合で今年秋から放送が始まる「サンダーバード ARE GO」の試写会と会見が5日、都内のNHKで行われた。

 英国で1965年(昭40)に放送が始まった人気シリーズ「サンダーバード」の50周年を記念した新作。初代は人形劇による特撮だったが、新作は人物やメカはCGで描き、背景の一部はミニチュアセットを組み、ミックスして撮影され、英国では今年4月から放送が始まっている。

 この日の会見には、インターナショナルレスキューを組むトレーシー家の5兄弟を演じた声優陣と新メカ「サンダーバードS号」をデザインした河森正治氏が参加した。

 長男でサンダーバード1号を操縦するスコット役の浪川大輔は「キャラ作りは意外とスンナリいって、演出の方からも(キャラを)確立していいと言ってもらいました。お話も懐かしさあり新しさもあり、新しいサンダーバードを収録できれば」と意気込んだ。

 2号を操縦するバージル役の花輪英司は「子どもの頃に見ていたものに声を当てるにあたり、さて、どうしよう? と思った。(初代を)見直したりはしませんが、雰囲気や香りとして(演技に)入れられたら、と思い収録に臨んでいます」と語った。

 3号を操縦するアラン役の村瀬歩は「小学校の時、組体操をやっていて『サンダーバード』と音楽が鳴っていたイメージがある。5人の中で1番子どものポジションは、現場で先輩を見てお芝居をしている自分と似ている」と話した。

 4号を操縦するゴードン役の柿原徹也は、ドイツ・デュッセルドルフ生まれで、初代はドイツで英語版やドイツ語吹き替え版を見たという。「僕自身、海外で育って、ドイツで小さい頃はずっと(テレビで)やっていた。そんな自分が、母国語の日本語で吹き替えるのは光栄。役者を10年やって、巡り会えて良かった」と感激した。

 宇宙ステーションの5号を操縦するジョンを演じるKENNは、5兄弟の中で1人だけ、離れた宇宙空間にいるという役どころを演じる工夫を明かした。「みんなとリアルじゃなく、映像でしゃべるので、遠くに声をかける感じで演じています」。

 河森氏は82年のアニメ「超時空要塞マクロス」のロボット「バルキリー」のデザインなどで知られる、日本有数のメカニックデザイナーだが、この日の登壇者で唯一、リアルタイムで初代を見ていた熱烈なファンだ。仕事を受けた経緯について「日本側のエージェントから、新しい機体のデザインを探しているとお話をいただき、仕事は詰まっていたけれど、ぜひやりたいと受けました」と説明。製作サイドからは、新作機について「小型で、小回りが利き、ステルス機能があるもの。ただしロボットにしないで」とリクエストがあったという。「サンダーバードS号」はバルキリーをほうふつとさせるデザインだが「自分の機体が活躍するのは、後半だと聞いています。期待しています」と笑みを浮かべた。

 NHKでは初代を66年から放送しており、新作の放送も決定した。8月15日から特集として3話までを先行放送しつつ、初代も3エピソード放送する。