「歌の親善大使」として世界80カ国以上で平和コンサートを開いた歌手菅原やすのりさん(本名・菅原保徳)が4日午前7時、急性骨髄性白血病のため、都内の病院で亡くなっていたことが8日、分かった。70歳だった。東京・平和島の平和の森公園で開催され、菅原さんが出演予定だった「第4回8・8地球歌の日コンサート」の終演後に、妻で食育研究家の菅原明子さん(68)が「昨日、菅原の葬儀を行いました」と報告。約1000人の観客から驚きの声が上がった。9月にしのぶ会を開く予定。

 菅原さんは今年1月に急性骨髄性白血病と診断された。抗がん剤治療を続け、「地球-」での復帰を目指していたが、かなわなかった。今月1日に臍帯血(さいたいけつ)移植での治療にめどがついたが、2日未明に容体が急変。白血球値が上がり、亡くなった。それでもコンサートは開催され、冒頭に、明子さんが「医師の判断で、今日の復帰を見送りました」と説明していた。

 終演後、明子さんは「『自分が亡くなっても、8日は最後まで伏せておいて欲しい』と言っていました。菅原の魂は、ここにいる。申し訳ありませんでした」と頭を下げ、菅原さんの歌う「長崎の鐘」の映像がスクリーンに映し出された。