【メキシコシティー19日(日本時間20日)=横山慧】5人組グループ℃-uteが、初のメキシコライブを開催した。前日の18日には、同国の国民的英雄でプロレスラー、ミル・マスカラス(73)からエンターテイナーとしての「極意」を伝授され、「セクシー路線」への意識が強まった。

 赤や白のヘソだし衣装で、メンバーたちはセクシーに踊った。「会いたい会いたい会いたいな」の間奏では、ステージをはうようなあでやかなポーズ。「Danceでバコーン!」のサビでは、リズムに合わせて腰を大きく振った。岡井千聖(21)は「今日はアイライン濃いめで、マスカラも長めです! 『マスカラ』スさんにアドバイスいただいたので」と笑った。

 前日18日(現地時間)、メキシコ国立自治大学で行われた「日墨文化交流シンポジウム」でマスカラスと同席した。華麗な空中殺法とかっこいいマスク姿で日本でもブームを巻き起こし、今も現役のプロレス界のレジェンドから貴重なアドバイスを受けた。「今後、さらに飛躍していくためには、もっと衣装の露出を増やして、お化粧もセクシーにした方がいい」。「セクシーのすすめ」だった。メンバーたちは真剣な表情でうなずいた。

 05年6月の結成から10周年を迎えた℃-uteは、モーニング娘。’15らハロー!プロジェクトのアイドルグループの中でも平均年齢が21歳と一番高い「お姉さんグループ」。助言に、岡井は「明日からはメーク濃いめで、派手めにいきたいと思います。ハロプロではセクシー系で攻められるのは私たちしかいないと思う。次のツアーの衣装とかも期待してほしいです」とノリノリで宣言した。

 マスカラスは、日本でも98年に公開された「愛と宿命のルチャ」など複数の映画で主演した俳優でもある。エンターテインメント業界の経験も豊富な彼から「みなさんはとてもかわいいし、日本以外でも人気が出るポテンシャルは十分ある」とお墨付きをもらった。さらに護身術も伝授された。「誰かが抱きついてきたら首をひねって、金的を思い切り膝蹴りする!」と熱い実技指導までうけた。

 5人は、年末に来日予定というマスカラスと日本での再会を約束した。スーパースターからの数々のアドバイスをうけ、リーダー矢島舞美(23)は「アイドルはこうでなくてはいけない、という概念を壊していきたい」と前向きに話した。

 ◆ミル・マスカラス 1942年7月15日、メキシコ生まれ。アマレスやボディービルで活躍し、65年にメキシコでプロレスデビュー。71年に日本プロレスに参戦し初来日。73年から全日本プロレスに参戦しジャイアント馬場らと激闘を展開。試合ごとにマスクを変え「千の顔を持つ男」「仮面貴族」などと呼ばれた。テーマ曲「スカイ・ハイ」で入場する姿が人気に。弟ドス・カラスとのタッグでも活躍。12年、米WWEの殿堂入り。昨年12月に来日して日本の団体で試合しフライングボディーアタックを披露。180センチ。