内野聖陽(47)主演の日本・トルコ合作映画「海難1890」(田中光敏監督、12月5日公開)のプレミア上映会が13日(日本時間14日)、20カ国・地域(G20)首脳会合の開催を15、16日に控えるトルコで行われた。

 イスタンブールのユルドゥズ宮殿で行われた上映会には、安倍晋三首相(61)とトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領(61)が出席し、田中監督と出演したトルコ人俳優ケナン・エジェ、メリス・ババダーとともに映画を鑑賞した。

 上映会後には、安倍首相とエルドアン大統領の共同会見が行われた。

 安倍首相 「ただ今、エルドアン大統領と見た『海難1890』は人類に普遍的な勇気と思いやりの物語であるとともに、エルトゥールル号事件125周年、トルコ航空による日本人救出30周年という記念すべき年の集大成といえる作品であると思います。和歌山県・串本町で嵐に遭遇したトルコ軍艦の乗組員を命がけで救出し、献身的に介抱した日本人。ミサイルが飛び交うイラン・イラク戦争のもと、テヘランで各国の人々が脱出に向けて一刻を争う中、危険を顧みずトルコ航空の特別機を派遣し、日本人を優先的に救出をして頂いたトルコの人々。125年前に、日本人が海で見せた精いっぱいの友情に対して、トルコの人々は95年後に空で応えてくれました。1985年(昭60)3月、トルコによる日本人救出の際、外務大臣であった父・安倍晋太郎の秘書官として、私はこの歴史的瞬間の話を耳に致しました。あの時の感動と感謝の気持ちは今でも忘れませんし、今、プレミア上映を一緒に拝見をさせていただきまして、あの時の感動・感激が再びよみがえって参りました。日本とトルコの人々は熱く温かい気持ちを持ち、お互いを助け合う強い絆で結ばれています。日本とトルコは広いアジアを東西から支える2つの翼です。エルドアン大統領とともに手を取り合って日本とトルコが作るその2つの翼をより強く大きく、羽ばたかせていきたいと思います」

 エルドアン大統領 友情の映画を作ることができて、感激しています。この映画は日本とトルコの文化の関係を近くする。

 田中監督は、エルドアン大統領をはじめ、トルコの関係者に感謝した。

 「トルコの皆様、そしてエルドアン大統領閣下、映画を作るにあたって、またロケにするにあたってご協力とおもてなしに感謝します。10年前から日本とトルコとの友情を描き、残し、伝えたいとひとつひとつ積み上げて参りました。積み重なる力は奇跡を起こす、両国のご協力があってこの作品が生まれました。この125年のトルコと日本の友情をみならって、私たち映画人も学び友情の輪を広げ、世界への平和、友情のメッセージとして広がっていくことを願います。最後にエルドアン大統領閣下、安倍首相閣下の友情に感謝します」

 またエジェは「2つの国の友情と(安倍首相が)G20の前にイスタンブールに寄ってくれたことに感激です。そこにも友情が強く現れています。日本の歴史に残る1日になったのではないかと思います。友情があったからこそできた上映会でした」と安倍首相に対し、謝辞を述べた。