その年の世相を反映、象徴する食を選定する「2015年 今年の一皿」(ぐるなび総研)に、「おにぎらず」が選ばれ、7日、都内で発表された。

 おにぎらずは、のりの上にご飯を敷いて具材を乗せ、半分に切ったもの。「中身がきれいに見える」「おにぎりを『にぎらずにできる』という逆転の発想で家庭や流通に食文化革命を起こした」「斬新なアイデアでコメの可能性を広げた」などのポイントが評価された。

 表彰を受けたのは、おにぎらずの発案者である漫画家うえやまとち氏。「クッキングパパ」コミック22巻で紹介した。今年の一皿に選ばれたことについて「何が何やら。25年前に書いたものが今ごろなんで」と恐縮しながらも「ありがたいと思っています」と笑顔。「奥さんが炊きたてのご飯にパンパンと包んでいくのを見て『漫画に書いていい?』と聞いたら『どうぞ』と。だから発案者は僕のかあちゃん。かあちゃんありがとう。日本の食文化として定着して、100年後の日本でも食べられていたら」と喜んだ。

 おにぎらずのほかにノミネートされたのは「スーパーフード」「なまずの蒲焼」「のどぐろ」「クラフトビール」「ジャパニーズウイスキー」。選定は、飲食店検索サイト「ぐるなび」のビッグデータから選出されたキーワードと、44媒体のメディア関係者の審査で行われた。