新生松竹新喜劇代表の渋谷天外(61)の紹介で「婚活中」のタレント久本雅美(57)が9日、男性1人と“デート”をしたが、男前ぶりをほめられ“お友達止まり”だったことを明かした。

 坂田利夫(74)が50周年公演で、久本への思いを「本気だった」と明かしたことには「師匠は大先輩ですし、尊敬しています。申し訳ないですけど、でも、それ以上ないです」と、あらためての“求愛”をやんわりかわした。

 久本はこの日、大阪市内で行われた京都・南座の松竹新喜劇正月公演「えくぼ」「浪花の夢 宝の入船」(来年1月1~7日)製作発表に、天外と、故藤山寛美さんの孫で新喜劇俳優の藤山扇治郎(28)とともに出席した。

 7月に都内で行った会見で、天外から久本の「婚活プロジェクト」が明らかにされており、その進捗(しんちょく)について、候補が5人に上っているといい「そのうち、1人とこないだ(この間)会った」。男性は「50代ぐらい」で、面会から帰宅後、すぐにメールが届いた。

 その内容は「すごく楽しかった。間近で見たらきれいでした」とほめ言葉が並んだが「性格はすごく男前だった」と締められていたそうだ。

 恋愛関係への発展、交際スタートには至らない空気で「あと4人にも会いますよ。そりゃ、婚活言うても、お友達作り(も目的)なんで」。残る4人の年齢や職業など詳細は聞いていないというが、全員が一般人のようだ。

 これについて天外は「キャスティング事務所の社長に知ってるヤツおるから、久本さんにキャスティングしてとお願いした」と説明した。

 公私ともに信頼関係で結ばれている天外と久本だが、今回の南座公演「えくぼ」では夫婦役を演じる。久本はこれまで東京・新橋演舞場で松竹新喜劇への出演はあるが、ご当地の関西公演は初出演。思いを寄せた女性に振られ、人生に悲観した男(天外)のもとへ嫁入りした「顔見て飯を食うとまずくなる」女を演じる。

 「ぶさいく」とののしられても一途に尽くすけなげな女性で、久本は「けなげな女性って、私、経験ないし…。しかも、顔見て飯がまずくなるほどって、メークでなんとかせな…」。これに、天外は「お顔のことは気にせんで大丈夫」と突っ込み笑わせた。

 大阪で生まれ育った久本にとって、故藤山寛美さんの松竹新喜劇は笑いの原点でもある。「あの味、間、すべてが笑いの神ですよ」と、寛美さんへの敬意は半端ない。その孫の扇治郎も「ペットにしたい」ほどかわいがっている。

 婚活中の久本からの愛を全身に受けた扇治郎は「久本さんはすごくキレイな顔立ちをされているけど、気持ちが三枚目。僕のおばさん(藤山直美)もブサイクではないけど、心が三枚目で同じ」と返した。

 その扇治郎は「浪花の夢 宝の入船」で寛美さんの当たり役に初挑戦する。勘違いが勘違いを生み、最後はみんなが幸せになる松竹新喜劇ならではの流れで、寛美さん絶妙の間で爆笑を呼んだ名作だ。

 天外は「昔から『無理役』と言って、ちょっと重い役をやったら技量がグッと上がるもの」と期待する。扇治郎は「祖父が残してくれた大きな役。僕もおじいさんを目標に、おもしろい役者になれるよう努めます」と話した。