夫婦漫才の宮川大助(65)花子(60)が27日、大阪市内で、結婚40周年記念公演「花咲村の妖精」(4月9日=大阪・なんばグランド花月)を発表し、結婚40年を振り返った。

 大助・花子は76年4月9日に結婚。78年3月に長女さゆみをもうけ、79年1月から夫婦漫才を始めた。結婚、育児、仕事が重なった花子は「今、あのころの漫才を見ても切なくなる」と言うほど、漫才へのプレッシャーに苦しんできた。

 実際には大助が台本を書き、ネタを作り、舞台では逆転して花子がリードする夫婦のスタイル。漫才でも大助が先輩で、花子は「ついていくのに必死やった」とも振り返った。

 さゆみが高校を卒業し、カナダへ留学する頃には、花子の忍耐に限界がきて「離婚届に判を押して、大助君に渡した」こともあった。そこまで花子は胃がんを克服し、夫婦の形も微妙に変化していた時期ではあったが、1人娘の巣立ちから、夫婦の間に空洞ができていたという。

 ただ、大助は「子供がおって、漫才もやって、嫁は自律神経もやられるぐらい、追い込まれてたんやって分かって、胃がんもあって、漫才が負担をかけてたんやな」と、妻の心情を理解。真心で包み込もうとし、離婚届に印鑑を押さなかった。

 その後、06年に大助が脳卒中で倒れ、夫婦そろって大病を経験したことから、大助は「お互いが、お互いをいたわれるようになった」と話す。今、落ち着いた間合いと、確かな話術で漫才を楽しんでいる。

 花子も「結婚40年、大助くんの最高のプレゼントは、離婚届を破いてくれたこと」と言い、一方で「(大助の)生命保険ももうじき満期やから、今思えば、大きな積み立てですわ」と笑わせた。

 結婚40年公演は、大助がプロデュースするミュージカルを上演。妖精を主人公とし、高齢者から子供までが楽しめる舞台を続けており、その集大成にしたいという。ミュージカルは1時間半の予定で、風船アクトをはさみ、漫才も1本披露する。