女優波瑠(24)がヒロインあさを好演しているNHK連続テレビ小説「あさが来た」(月~土曜、午前8時)が5日、同大阪放送局のスタジオでクランクアップした。

 最終収録を終え、セレモニーでくす玉が割られた後、波瑠は、夫役の玉木宏(36)らとともに取材会を開き、その場でもドラマさながらの夫婦ぶりを披露した。

 10カ月に及んだ収録を完走。最後の場面は異例の非公開となったが、番組の佐野元彦エグゼクティブ・プロデューサー(EP)によると、撮り終えた瞬間、波瑠は「涙ボロボロと、堤防が決壊したように」号泣したという。

 隣にいた玉木も思わず涙。「玉木さんももらい泣きというか、みんな(スタッフも)すすりましたね」と、波瑠の涙が玉木に、そしてスタジオ全体へ伝染した様子を明かした。

 そんな2人が臨んだ取材会。ヒロインの口ぐせ「びっくりぽん」にちなみ、昨年5月15日にスタートした長丁場の収録で「一番のびっくりぽんは何か?」と聞かれたところ、波瑠はしばしマイクを握ったまま沈黙。「うーん、難しい」と言ったまま、玉木に「考えてる間、何かしゃべっといて」と丸投げしてしまった。

 波瑠への質問ながら、突然“つなぎ”を求められた玉木は「え?」と苦笑いしつつ「えーっと、一番のびっくりぽんは…って、波瑠さんへの質問ですよね」と1人ボケつっこみ。会場を和ませ、場つなぎのトークをしようと「あの、僕は…」と口にした瞬間、波瑠が答えを思いつき「あ!」。言葉を出そうと、口を開いていた玉木から素早い勢いでマイクを奪った。

 波瑠は京都弁、大阪弁の方言に慣れることなく終わったことなど、10カ月の収録を振り返って回答。マイペースながら、一生懸命な波瑠を横目に、玉木は苦笑いするしかなかった。

 女性ながら実業家として大成したヒロインを演じた波瑠、妻を支えた夫の構図そのままの風景に、取材会場は温かい笑みに包まれた。

 一連の“夫婦愛”を見守った佐野EPは、2人の息の良さも高視聴率の原因ではないかと分析。2人のみならず「ここ数日、次々にアップされて収録を終えられた方が、翌日も別の方のアップのために、収録もないのにスタジオにいらして、いったい今日が誰の最後が分からなくなった」と、明かした。

 佐野EPは「篤姫」など、過去には大河ドラマも手がけているが「いろいろ私もやりましたけど、こんな現場は初めて。波瑠さんと玉木さんも本当にぴったりでした」と驚いていた。