今年3月1日に宝塚歌劇団に入団した元女優で実業家、君島十和子さん(49)の長女、蘭世惠翔(らんぜ・けいと)ら102期生39人が9日、兵庫県宝塚市の同劇団けいこ場で、初舞台で披露するラインダンスを初公開した。

 団結力が長所の39人は、全員が黒のレオタード姿。演出を担当した野口幸作氏は「春の空に飛び立つイメージ」で構成した。本番では、星組2番手スター紅(くれない)ゆずるが応援歌「FLY ENTERTAINER!」を歌唱した後、102期生が大階段を下り、ラインダンスを披露する流れとなる。

 この日は初めて、102期生が、初舞台を踏む星組公演に出演するあこがれの先輩らの前で、ラインダンスを披露。紅の歌とも“初共演”となった。

 首席入団の娘役、舞空美瞳(まいそら・みみ)は「初めて、紅さんの歌を聴き、感動しました」。2番入団の男役、天飛華音(あまと・かのん)、3番入団の男役、咲城(さきしろ)けいは「(先輩たちの前で初披露し)より一層頑張ろうと思いました」「紅さんの歌が始まり、感動で胸がいっぱいになりました」と言い、肩で息をしながらも笑顔は絶やさなかった。

 今年の衣装は「春の小鳥」をイメージし、桜を想起させるピンク色が基調。振付は、元タカラジェンヌの鈴懸三由岐氏が担当した。

 初舞台生のラインダンスを初めて手がけた鈴懸氏は「仲のいい期で、みんなすごく前向き」と新入団生の結束力を評価。一方で「好きなことを仕事にしていく上で、まだ内面に甘さがある。甘さをぐっとこらえて、限界を乗り越えられるよう挑戦してほしい」とリクエストし、102期生は真摯(しんし)な表情で聞き入っていた。

 102期生39人は、今月18日に宝塚大劇場で開幕する星組トップスター北翔海莉(ほくしょう・かいり)主演のミュージカル「こうもり」で初舞台。ショー「THE ENTERTAINER!」でラインダンスを披露する。