山田洋次監督(84)が21日、東京・六本木の俳優座劇場で行われた「俳優座『反応工程』(5月13~22日、東京・紀伊国屋ホール)を成功させる会」キックオフイベントに出席した。

 大学生らのグループ「SEALDs(シールズ)」の奥田愛基氏らとともに、同会の共同代表を務める。「反応工程」は、宮本研氏作で終戦間近の軍需化学工場に学徒動員されていた若者たちを描いた物語。山田監督は「内容はとても人間らしさにあふれた作品。ぜひすてきな演劇で伝えてほしい」と期待した。

 俳優座では、同作を通じて平和とは何かを訴えていこうと、俳句を募集したりと、さまざまな活動を行っていく。奥田氏は「最初は何で僕に? と思いましたが、戦争のことが他者化されていく中で、演劇を通じて悲惨さだけでなく、同じ歴史の中で生きていることを感じたいと思い、積極的に応援させていただくことになりました。この舞台をみた人が『戦争反対!』ではなく、平和について何かを感じてもらえるだけでいいと思います」と話した。