21日の朝にミネソタ州ミネアポリスの「ペイズリー・パーク・スタジオ」と呼ばれるスタジオ兼自宅で亡くなっているのが発見された歌手プリンスは、CNNテレビなどの報道によると、エレベーターの中で意識不明で倒れているのを通報を受けて駆け付けた救急隊によって発見されていたことが明らかになった。

 その場で心肺蘇生法を試みたが、午前10時7分に死亡が確認されたという。死因や誰が通報したのかは明らかにされておらず、地元警察はスタジオ内で何が起こったのか現在捜査中とコメントしている。ピアノ弾き語り形式のコンサートツアー「ピアノ&ア・マイクロフォン」を行っていたプリンスは15日、アトランタでの公演公演後に搭乗した自家用機内で体調不良を訴えて緊急着陸し、近くの病院に搬送されて治療を受けていた。広報担当者によると3週間前からインフルエンザを患っていたが、回復したために3時間後に自宅に戻ったという。その翌日にはペイズリー・アーク・スタジオにファンらを招いてダンス・パーティーを開催し、パフォーマンスこそ行わなかったものの、元気な姿を見せていたと言う。参加したファンは、「ファンに元気な姿を見せたかったと話していた。まさかこんなことになるなんて」と言葉を詰まらせていた。

 プリンスは先月、米出版社ランダムハウスと契約して初の回顧録を出版することを発表したばかりだった。伝説的歌手の突然の訃報に、音楽界には大きな衝撃が走っており、「プリンスの才能は無限だった。この30年間でもっともユニークで才能あるアーティストだった」とローリング・ストーンズのミック・ジャガーが追悼メッセージをツイッターで発信するなど、多くのアーティストたちがSNSに追悼コメントを寄せている。(ロサンゼルス=千歳香奈子)