先月21日に急死した米歌手プリンスさんの10億ドル(約1100億円)とも言われる莫大(ばくだい)な遺産を巡り、700人もの人々が相続する権利があると名乗り出ていると報じられた。

 57歳と言う若さで急逝したプリンスさんは独身で子供もなく、すでに両親も他界。遺書を残していなかったと言われている。血縁関係を調査する団体には、プリンスさんと血縁関係があると名乗る人物からの電話が殺到しており、電話が鳴りやまない状態だと米メディアは伝えている。

 同社によると、家族の写真にプリンスも一緒に写っているとか同じ地区に暮らしていたから親族関係だと言うものまで、700人近くの人から電話があったという。その中にはプリンスさんの子供だと名乗る30代の男性もおり、調査中だと米芸能情報サイト、レーダーオンラインが伝えている。

 ミネソタ州にある自宅兼スタジオなどの不動産を含む資産は3億ドルと言われる他、未公開の音源も多数保管しており今後それらがリリースされれば多額の収益も見込まれている。また、プリンスさんのマネジャーによれば、プリンスさんは自らマスター音源と音楽出版権も所有していたことから、それだけでも5億ドル以上の価値があるとも言われている。

 これらの遺産すべては、唯一の生存する直系の家族である妹タイカ・ネルソンさんが相続する可能性が高いと言われていたが、他にも5人の異父母兄弟もいることが分かっており、遺産を巡る骨肉の争いに発展する可能性もありそうだ。(ロサンゼルス=千歳香奈子)