12日に亡くなった演出家蜷川幸雄さん(享年80)の葬儀、告別式が16日、東京・青山葬儀所で営まれた。平幹二朗(82)大竹しのぶ(58)吉田鋼太郎(57)小栗旬(33)藤原竜也(34)が弔辞を読み、蜷川さんとの別れを惜しんだ。

 最初に弔辞を読んだのは76年以来、17作品でタッグを組んだ平幹二朗(82)。「僕の宝で、充実した演劇人生を生きることができた。でも、1度も演技を褒めてくれませんでしたね。褒め言葉を引き出したくて、肺を痛めるまで熱演に熱演を続けました」。

 続いた大竹しのぶ(58)は亡くなる3日前の9日に見舞った。「『稽古場でお待ちしてます』と話し掛けると、目を開いてくださり、数秒間見つめ合いました。稽古場、劇場にいなくては、蜷川幸雄は蜷川幸雄ではないのです」。

 3番手の吉田鋼太郎(57)も見舞った時の様子を振り返り、「ずっと戦い続け、またベッドの上でも戦おうとしていました。ひつぎの顔を見てません。ベッドで戦う顔を目に焼き付けたいからです。もう少ししたら会いに行きます。シェークスピア君も交ぜて一緒に芝居を作りましょう」。