プレーバック日刊スポーツ! 過去の9月10日付紙面を振り返ります。2011年の芸能面(東京版)では、SMAPの20周年記念イベントを報じています。

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 SMAPが9日、20周年記念イベント「SMAP AID SPECIAL FAN MEETING 2011」を埼玉・西武園ゆうえんち内の波のプールで開催した。同所は20年前の1991年(平3)9月8日にデビューイベントを行った場所で、当時と同様に来場者全員の1万人との即席握手会を行った。国民的グループは思い出の地で初心に戻り、応援し続けてきたファンを喜ばせた。

  青空の下、中居正広(39)がまぶしそうに会場を見回しながらあいさつした。「20年前にクソ暑い中でイベントして以来です」。メンバーが着用した黄色をベースとした衣装は、土砂降りの中で行われたデビューイベントで着たものとほとんど同じ“復刻版”だった。

 西武園ゆうえんちはデビュー直前まで、光GENJIとともに出演していたテレビ朝日系「アイドル共和国」で毎回公開収録を行っていた場所だけに、メンバーは思い出話に花を咲かせた。

 稲垣吾郎(37)は「ジェットコースターに乗りたくないって言って鏡を投げつけたら、中居くんにひっぱたかれました」。草なぎ剛(37)は「収録前にプールに飛び込んで怒られました」。香取慎吾(34)は「よくぶん殴られました。芸能界はやさしくなったよね」と懐かしそうに振り返った。一方、20年間で衝撃的なこととして、中居は「いっぱいあるけど森君じゃない? あれは焦ったよね」と、オートレーサーに転向した森且行の脱退を挙げた。

 トークで盛り上がった後、木村拓哉(38)が「この曲を歌ってデビューして、またこの曲でスタートを切らせていただきます」と高らかに再スタートを宣言。公演動員数1000万人突破記念公演を始め、節目でしか歌わないデビュー曲「Can't Stop!! -LOVING-」からヒット曲「世界に一つだけの花」など4曲をメドレーで披露した。

 国民的グループとして活躍し続ける今、ファンと直接触れ合う機会が必然的に少なくなったが、この日は積極的にファンとの距離を縮めた。ファンからの質問状に回答。ファンをステージに上げ、抱き合って風船を割るゲームに興じた。

 ラストで木村が「この後、せっかくこれだけの人が集まってくれたので、もうちょっとだけコミュニケーションを取りたいと思います」と握手会を提案。メンバー全員が約2時間半かけて集まった1万人と握手した。感謝の気持ちとともに今後の活躍を誓った、力強い約束の握手だった。

※草なぎのなぎは弓ヘンに前の旧字の下に刀

 ◆SMAPデビュー記念イベント 91年9月9日に「Can't Stop!! -LOVING-」でCDデビューすることを記念したイベントを、前日8日に埼玉・西武園ゆうえんちの波のプールで行った。当時は森且行(96年5月にオートレーサー転身のため脱退)も含めた6人組で、約1万5000人の女子中高生が詰めかけた。当日は台風の影響で土砂降り。マイクが入らなくなる機材トラブルも起きたほどの悪天候だったが、プールに入りながら見るファンもいた。メンバーはプールに飛び込んで、遠いプールサイドにいたファンにあいさつも。最後は約4時間半かけて来場者全員と握手した。ファンの間では伝説のイベントとされている。

 ◆会場には、20年前のデビューイベントにも駆け付けたというファンもいた。横浜市在住の女性(46)は「個人個人、本当に頑張っていますね。当時は本当にやんちゃだったけど、今は全然違う。落ち着いてますよ」と成長ぶりに目を細めていた。20年たっても変わらない良さを「ファンを本当に大事にしてくれるところ。例えば、空港で待っていたりすると、『ここは危ないけど大丈夫?』と気を使ってくれたりする」と挙げた。今後については「もっとコンサートをやってほしい」と期待していた。

 ※表記は当時のもの