米国を中心に世界各国で開催されている、アメリカンコミックを中心としたポップカルチャーのイベント「コミックコンベンション」(コミコン)が日本で初開催される。今年3月に米サンノゼで開催され、6万人を動員した「シリコンバレーコミコン」と提携し、12月2、3、4日に千葉・幕張メッセで開催される「東京コミコン」の記者会見が30日、ザ・プリンス パークタワー東京で行われた。

 「コミコン」は、1970年に米サンディエゴで初開催され、当時はアメリカンコミックの愛好者が300人程度、集まった集いだった。その後、漫画に限らすアニメ、映画、ゲームからコスプレなど、ポップカルチャーを幅広く紹介し、愛好者が自身の表現したいものを発信できる文化イベントに成長。近年はハリウッドスターもファンを獲得できるイベントだと価値を認識し、積極的に参加。映画の新作などの大きな発表が行われるケースもあり、最大で15万人が集まる大イベントに成長。英国、フランス、台湾など世界各国で開催される中、漫画やアニメ、ゲームなどの発信地の1つ、日本でようやく開催されることになった。

 東京コミコンの元となった「シリコンバレーコミコン」は、「スパイダーマン」や「Xメン」などの原作者として世界的に有名な、米マーベルメディアの名誉会長スタン・リー氏と、米アップル社の創業者の1人スティーブ・ウォズニアック氏がプロデュースした。ハリウッドスターの撮影会やサイン会、トークショーやステージのほか、参加した約2000もの企業の商品の体験なども行われた。

 「東京コミコン」には、リー氏が来日するほか、ハリウッドスターの来日についても現在、調整を進めているという。また開催時期と公開が近い米人気シリーズの最終作「バイオハザード:ザ・ファイナル」(ポール・W・S・アンダーソン監督、12月23日公開)の撮影で使用された小道具や衣装の展示も行われるという。主演のミラ・ジョボビッチ(41)は、ワールドツアーの一環として東京コミコン後のタイミングで来日の予定だが、この日の会見のためにビデオメッセージを寄せた。

 また「東京コミコン」独自の企画として、日本の食を紹介するブースに力を入れていくという。名誉会長を務める自民党の山東昭子参院議員(74)は、3月の「シリコンバレーコミコン」を視察した。その経験を踏まえて「外国の文化としてのハリウッド映画が入ってくる。そこに日本の若者たちがコスプレで、どんな形で参加してくれるか、大変期待しています。日本に欠かせない食文化もご披露していこうと思う」と話した。

 日本文化の海外への発信としては、安倍晋三首相がリオ五輪閉会式でスーパーマリオに扮(ふん)したことが記憶に新しい。クールジャパンの推進を進める政府だけに、安倍首相の「東京コミコン」への参加はあるかと聞かれた山東参院議員は「(安倍首相には)お話はまだしておりません。そのあたりは、まだ分かりませんが地元・千葉の森田健作知事には話をしております。彼も、元アクターですから…」と明かした。森田千葉県知事は、積極的にサポートする意向を示しているという。

 また、会見には「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズでサウロンを演じた俳優サラ・ベイカー(39)も駆けつけた。「おはようございます。会えてうれしい。サラです!!」と日本語であいさつした。