宝塚歌劇団理事で専科スターの轟悠(とどろき・ゆう)が主演するミュージカル「双頭の鷲」が22日、兵庫・宝塚バウホールで開幕した。

 フランスの天才芸術家ジャン・コクトーが、王妃エリザベートの暗殺事件から着想し、書き上げた戯曲をもとにした作品。轟は王妃暗殺を狙う男にふんし、来年4月に退団する宙組トップ娘役の実咲凜音(みさき・りおん)が王妃役。敵対するはずの2人が運命的に出会い、恋に落ちる。

 轟は、20年前の「エリザベート」初演当時、暗殺者・ルキーニを演じており、再び王妃を狙う暗殺者役に臨む。セリフはもとより表情、アクション、手の動き、背中にまで神経をめぐらせ、繊細に心理描写を表現している。

 前作で「エリザベート」の王妃を演じたばかりの実咲とは初タッグ。轟は「実咲さんは、エリザベートをやった後の王妃役。すでに退団を発表し、心の変化が起きている中で、思いっきりやってほしい」と言い、初日を迎えた。

 宝塚バウホール公演は12月3日まで。KAAT神奈川芸術劇場公演は12月9~15日。