第59回ブルーリボン賞(主催・東京映画記者会=日刊スポーツなど在京スポーツ7紙の映画記者で構成)の授賞式が8日、東京・霞が関のイイノホールで行われた。

 「後妻業の女」(鶴橋康夫監督)で主演女優賞を受賞した大竹しのぶ(59)は、司会の大泉洋が「後妻業の女」を見ていると言いながら、実は見ていないのでは? と疑惑の目を向けた。

 大竹は「本当に面白い映画でした」などと、あっさりした感想しか言わない大泉に向かって「見ている映画と見ていない映画とでは(トークに)すごい差がある」と強烈な“カウンターパンチ”を入れた。慌てた大泉が「水川あさみちゃんと、ものすごい殴り合いのケンカをするシーンがありましたね?」と言うと、すかさず「尾野真千子ちゃんです!! DVDが出るのでご覧ください」と声を大にして切り捨てた。

 大竹は、大泉が「僕、見たんですよ!! 飛行機の中で見たんですよ!! ブルーリボン賞(授賞式の司会が)あるから!!」と言い訳すると「寝てたんでしょ」と一刀両断。さらに大泉が「あの映画、エッチなシーンがあるでしょ!?」と言い返すと「(笑福亭)鶴瓶さんのお尻のシーン?」と切り返した。これには大泉も「来年、ぜひ司会を頑張ってください。とにかく名前の間違いが1番怖い」と言うしかなかった。

 大竹は「青春の門」(浦山桐郎監督)で75年度新人賞、「波光きらめく果て」(藤田敏八監督)で86年度助演女優賞を受賞しており、今回の主演女優賞でブルーリボン賞初の3冠を獲得した。新人賞を受賞した75年度は、66年度で一時、中断を余儀なくされたブルーリボン賞が、在京スポーツ紙の声掛けで復活した記念すべき年だった。

 大竹は「これからも頑張って、映画という残る仕事をやっていきたい。しわのいっぱいある、おばあちゃんになって…今も(しわは)あるんですけど、ちゃんと映してもらえるような映画を撮って、20年後くらい…10年後かも知れないですが、ここに立ちたい。映画記者の皆さん、それまで映画界を盛り上げてください」と映画記者への思いも込め、今後の映画界での活躍を誓った。【村上幸将】