【台湾26日=近藤由美子】ポルノグラフィティが、アジア進出となる初の台湾単独公演を成功させた。

 台北市内のライブハウス、レガシー台北で前日25日に続いて開催した。ボーカル岡野昭仁(42)は、控室にも貼って覚えた中国語で語り掛けた。「我們是色情塗鴉(ウォーメンシー サァーチントゥーヤー=ポルノグラフィティです)」「我們愛■們(ウォーメン アイニーメン=みんな大好き)」。英語、日本語も織り交ぜ、半数以上を占めた地元ファンに近づこうとした。ギター新藤晴一(42)は「待っていてくれた熱を感じた。すぐに通じ合えた感じ」。岡野は「親近感を持ってくれて居心地がいい。違う国の人とつながることは経験できることではない。国際交流じゃないけど意義がある」と確かな手応えを口にした。

 ファン層の中心は10~20代。シングル「メリッサ」が主題歌の人気テレビアニメ「鋼の錬金術師」が台湾でも放送され、人気に火がついた。ステージは、同曲や「アポロ」「サウダージ」など台湾でも人気のヒット曲を中心に構成した。

 これまで台湾の音楽フェスに2回出演。岡野が、台湾の人気バンドMaydayの新アルバム日本盤に日本語詞を提供したこともあって台湾公演が実現した。

 13年のロサンゼルスに続き、海外での単独公演は2回目。岡野は「シンガポールでもライブを、という話があるけど、絶対に僕らの名前(ポルノ)はダメなので、その時は名前を変えて行ってもいい」。新藤は「台湾のいろいろな所、若者のわき上がるエネルギーを感じたいので、インドネシアにも興味があります」。新たな目標を見つけた。

 アンコールで3曲を披露した。約1000人から「ポルノ」コールが鳴りやまず予定にない2曲を披露。缶ビールを持って登場した岡野は「『ポルノ』は台湾の人にとっていやらしい言葉なのかな? 言いたくないワードだったと思うけど」と冗談めかしながらも「イエスタデーもハッピー。トゥデーも最高」。笑顔に達成感がにじんでいた。

※■はにんべんに尓