吉永小百合(72)120本目の出演映画「北の桜守」(滝田洋二郎監督、来年3月公開)のポスタービジュアルが24日、解禁された。

 戦中、戦後の北海道で母子が生き抜く姿を描き、今年2月16日に北海道・網走でクランクインした。解禁された第1弾ポスターは、約1週間の冬部分のロケで撮影された。吉永演じるてつが夫の安否を心配し、息子と海を見つめ無事を祈る重要なシーンだ。

 流氷が押し寄せる海岸の突端での撮影は、強風で体感温度は氷点下20度にもなった。吹雪で目を開けることも困難だったが、吉永は子役の土屋慶太(10)を気遣いながら、強い母のまなざしを見せた。29日から全国劇場に掲出される。

 春部分の撮影は30日から都内と近郊で始まり、6~7月は北海道縦断ロケを行う。過去を振り返る劇中劇もある作品で、吉永は「映画と演劇が重なり合って、新しいジャンルの作品が生まれる。そんな予感がしてワクワクしています。春、夏編も、初めてご一緒する素晴らしい共演者の皆さんと心を合わせ、北海道の大自然の中でしっかり演じたいと思います。アクションシーンで転ばないよう、筋トレにも励みます」とコメントした。

 ◆北の桜守 江蓮てつ(吉永小百合)は一家で樺太で暮らしていたが、終戦後、ソ連侵攻により土地を追われ、息子2人とともに網走にたどり着いた。待ち受けていたのは過酷な環境だった。歳月が流れ、米国で事業を成功させた次男修二郎(堺雅人)が帰国し、年老いたてつに再会。母子は北海道で過去をたどる旅を始める。てつの義理の娘役に篠原涼子、夫役に阿部寛、闇米商人役に佐藤浩市。ほかに高島礼子、中村雅俊、笑福亭鶴瓶、岸部一徳らが出演。