心房細動と肺がんのため74歳で亡くなった女優星由里子さん(本名・清水由里子=しみず・ゆりこ)の通夜が19日、京都市内で行われ、星さんにはピンク色の単衣(ひとえ)の着物が着せられた。星さんは16日午後11時5分、同市内の病院で亡くなり、この日は親族ら、ごく親しい身内が集まった。夫の清水正裕さんによると、98歳になる星さんの義母は「代わってやりたい」と泣いていたという。

 この日午前、同市内の自宅で、納棺を終えた正裕さんは、選んだ着物を「お気に入りの着物だった。明るいピンクがよく似合ったから」と説明。正裕さんによると、星さんは今年3月、所属事務所の宴席に加えて、旧知の大津美子のパーティーにも参加。心臓の手術は2度受けていたものの、元気だったという。

 「心臓手術の流れで肺がんが見つかって…。まさか…。急なことで…。今月2日に肺がんと分かり、前の日まで食事も口にしていた。2月ごろからせきはしていたが、季節柄、風邪か、花粉症もあったので…。本当に急なことで、ただただ残念。後悔しています」

 愛妻を突然、失った正裕さんは、無念の思いを素直に吐露。自らの母は98歳になるが、元気だといい「母は『代わってやりたい』と言って、棺(ひつぎ)のそばで泣いています」と明かした。

 加山雄三主演の映画「若大将」シリーズでヒロインを演じ、清らかな美しさで魅了した星さん。京都の自宅付近では、最寄り駅前のスーパーへ家族で出掛ける姿が目撃されていた。地域の会合にも積極的に顔を出し、近所の住民は「目を引く美人。でも、よく気を使ってくれる人でした」と話していた。【村上久美子】