先月29日に膵臓(すいぞう)がんのため亡くなったロックバンド、シーナ&ロケッツのリーダーでギタリストの鮎川誠(あゆかわ・まこと)さんの“ロック葬”が4日、東京・世田谷区の「星かげの迎賓館」で執り行われ、芸能関係者約900人、一般で約3100人の合計4000人以上が参列した。

会場から徒歩で約5分の距離にある最寄り駅の代田橋駅まで参列者の列が伸び、受付窓口を急きょ増加させるなどして対応。鮎川さんの人気の高さを示す形となった。

葬儀場には、祭壇とは別に鮎川さんの「思い出の部屋」が用意された。レコードやポスター、アンプなどが飾られ、その部屋を通ってから祭壇のある部屋に入る導線となっていた。懐かしい写真やグッズをみて、スマートフォンのカメラで写真を撮る一般参列者も多かった。

祭壇はバルーンやダリアやバラなどの花で埋め尽くされ、ステージ衣装や愛用したギター8台、レコード15枚などゆかりの品で飾られた。遺影は、14年リリースのアルバム「ロケットライド」の際に撮影したもので、娘3人で話し合って決めたという。

妻で15年になくなったシーナさんの時と同様“ロック葬”と銘打ち、「RUMOUR」「BIG BOSS MAN」などの楽曲が会場に流れるなか、柄本明(74)小室哲哉(64)石橋凌(66)らも鮎川さんとの最後の別れを惜しんだ。

鮎川さんは自身ががんであることを公表しなかった。ファンに伝えたいことを問われ、長女の陽子(46)は、「お父さんは最後まで、死ぬまでロックするっていっていたんですけど、本当にその通りになったと思います。ファンの方々に本当に応援していただいて、シーナ&ロケッツのことが大好きで応援していただいたので、感謝しています」と話した。

★主な参列者 柄本明(74)石橋凌(66)小室哲哉(64)うじきつよし(65)松田美由紀(61)中村達也(58)Zeebra(51)ら。

◆鮎川誠(あゆかわ・まこと)1948年(昭23)5月2日、福岡・久留米市生まれ。九州で人気を博したグループ「サンハウス」を率い、九大在学中にシーナさん(故悦子さん)と出会い、妊娠を機に75年に結婚。3人の娘をもうけた。78年にシーナ&ロケッツを結成し「涙のハイウェイ」でデビュー。88年にTBS日曜劇場「男たちのフツーの週末」でドラマデビュー、01年にはNHK連続テレビ小説「ちゅらさん」で朝ドラに出演する役者としても活躍した。