しゃくり上げ、泣きじゃくった1審判決から1年。また涙があふれ出た。19日、大阪高裁の控訴審初公判に臨んだ羽賀研二被告(48)。落ち着いていたのは冒頭のみ。再び無罪を勝ち取ろうと弁護人が熱弁を振るうと、顔を赤らめ、何度も涙をぬぐった。

 黒っぽいストライプのスーツに黒いシャツ、ロングコートを腕に掛け、法廷に現れた羽賀被告は傍聴席と裁判長らに「失礼します」と長身を折り曲げ一礼。いすに腰掛けた。

 冒頭、裁判長から職業を聞かれると「現在は無職です」ときっぱり。一方、隣に立った元プロボクシング世界王者渡辺二郎被告(54)は一瞬言いよどみ「まあ、会社役員とか、させてもらってます」と答えた。

 弁護人は書記官の目の前という異例の立ち位置で潔白を訴えた。何度もうなずき、見詰めた羽賀被告。1審公判中も度々涙を見せたが、この日もやはり泣いた。

 [2009年11月19日16時37分]ソーシャルブックマーク