17日に急性心筋梗塞(こうそく)のため死去した作詞家の吉岡治さん(享年76)の通夜が24日、東京・築地本願寺でしめやかに営まれた。午後6時ころ、石川さゆり、五木ひろし、大川栄策、加藤和也、川中美幸、瀬川瑛子(順不同、敬称略)ら約500人が参列した。

 石川は「まだ心の整理がつきません。私の中で思い出にならない思い出がたくさんあります。最後にお会いしたのは先月。7月の舞台用の詞の打ち合わせをしました。詞は未完成のままです。最後まで『先生』と呼べず吉岡さんと呼んでいました」と唇をかみしめた。

 五木は「本当に寂しいです。私の中で『細雪』は初めて女性が主人公の詩で、自分の大きな柱となった曲です。ファンの中でも1番人気なんです。(私が)元気でいる以上、感謝しながら少しでも長く歌い続けます」と話した。

 遺影は、2006年夏に軽井沢の別荘で撮影されたもの。祭壇には、日本レコード大賞作詞賞の表彰盾やトルコキキョウなど吉岡さんが好きだった紫色の花が飾られた。ひつぎには原稿用紙、万年筆、家族写真、愛用のハンチング帽が収められた。法名は釈治尊(しゃくじそん)。葬儀・告別式は25日午前11時から同所で営まれる。

 [2010年5月24日21時8分]ソーシャルブックマーク