京都府舞鶴市で生活保護を申請しようとした女性(33)に対し、市の担当職員が申請書の交付を拒否し、府が「申請の意思が示されたのなら、申請書を渡さないのは問題だ」と口頭注意していたことが19日、分かった。

 女性から相談を受けた貧困問題に取り組むNPO法人「POSEE」京都支部が同日、記者会見して明らかにした。同支部は職員が「不正受給になれば詐欺で捕まります」と言ったと主張。舞鶴市は「相談の段階だったと認識しており、適切な対応だ」としている。

 支部によると、女性は5~11歳の子どもと4人暮らし。無職で相談時には所持金がほとんどなく、光熱費や家賃も滞納していた。6月11日に舞鶴市役所西支所に「生活保護を申請したい」と訴えたが、市側は申請書を渡すのを拒否。翌12日にも同支部のスタッフを伴い支所を訪れたが、市の職員から「やみくもに申請されても却下しかできません」と申請書の交付を拒まれた。最終的に市は申請を受理した。

 支部によると、職員は人気お笑いコンビ「次長課長」の河本準一の母親が生活保護を受給していた問題にも触れ、最近は扶養義務のある親族の有無などを厳格に調査するとの趣旨の発言もあったという。