浪速の視聴率女王が、関西の視聴率男に哀悼メッセージを送った。

 関西を代表する人気司会者、上沼恵美子(58)が、12日午前11時40分から放送された読売テレビ「上沼・高田のクギズケ!」で今月3日に亡くなった歌手でタレントやしきたかじんさん(享年64)を毒舌を交えてしのんだ。

 冒頭で「死ぬわけないやろ、あの男が!」と、たかじんさんの死去を話題に取り上げた。男女の違いこそあれ、関西を代表する司会者の両輪で、ライバル関係でもあっただけに「向こうの視聴率が良かったら、イラッとした」と、率直にたかじんさんへの思いを口にした。

 2人は、まだたかじんさんがブレークする前、70年代からの付き合い。上沼は71年、姉と漫才コンビ「海原千里・万里」を組み、海原お浜・小浜門下でデビュー。高校生ながら巧みな話術で人気を得て、既に一時代を築いていた。2人はその後も大阪や京都で酒を共に飲み、上沼の前でたかじんさんが歌を歌ってくれたこともあったと振り返った。

 “戦友”の急死に上沼も衝撃を受けた様子。あくまでも、たかじんさんの本職は歌手だっただけに、紅白歌合戦へ出たかったのではないかなどとその心中を思いやり、代弁した。上沼が涙ぐむ場面もあった。

 それでも、64歳と若く、現役のまま亡くなった盟友に向け「よぼよぼになって、迫力なくなってから天に召されるより、いい時期かなという感じはします」。湿っぽさを極力封印し、上沼流の毒を交えた明るいコメントでしのんでいた。