King&Princeの髙橋海人(27)が、映画「プリズム」(27年3月5日公開、針生悠伺監督)で初の映画単独主演を務める。髙橋が幼少期から育んできたアイデンティティーのダンスを題材にした、再生と絆の物語。劇中のメインダンスの振り付けは、髙橋のダンス師でもあるパフォーマンスグループs**t kingz(シットキングス)のNOPPOが担当しており、“師弟”タッグを組んだ。

心に傷を負い、踊ることができなくなった元ダンサーの律(髙橋)が、故郷・小豆島にある「塀のない刑務所」の更生プログラムの一環で、受刑者たちへのダンス指導の依頼を受けたことから物語が始まる。

髙橋は幼少期にヒップホップダンスを始め、11歳の頃に大会で優勝するなど高いパフォーマンス力に定評がある。学生時代にNOPPPOが講師を務めていたダンススクールに通い、その腕を磨いてきた。ダンスを題材とした作品への出演は自身にとって念願。ダンスにも映画にも「何度も救われてきました」といい「いつかダンスの映画に挑戦してみたいと、ずっと願ってきました。思い描いていた夢がこの『プリズム』という作品でかないました」と実を結んだ。

持ち前の創造力も作品作りに還元した。“KAITO”名義でのソロ音楽活動や、個展の開催などで裏打ちされた豊かな表現力を持ち、脚本の段階で髙橋も打ち合わせに参加。律の言動には髙橋のアイデアも取り入れられた。クランクイン後は針生監督とシーンごとに話し合いを重ねて丁寧に律の人物像を作り上げ、撮休日は自主的にダンスの練習を重ねるなど高い熱量で向き合った。針生監督も「彼のクリエーティブな発想と素晴らしい人間性があったからこそ、作品は最良の形にたどり着けたのだと思います」とその姿勢に信頼を寄せた。

髙橋の起用理由について、宮川宗生プロデューサーは「この作品は何より芝居が重要でした。その中で、ナチュラルな芝居ができる人として髙橋さんの名前が出てきたんです」と明かす。オードリー若林正恭役を演じた、日本テレビ系ドラマ「だが、情熱はある」などで見せた自然な芝居力も後押しとなった。また、初めて作品について話した際に髙橋からダンスにまつわる作品に出演したいという切なる思いを聞き、起用を決めたという。

ダンスを教わる13人の受刑者役には、醍醐虎汰朗(26)、後藤剛範(43)、日高由起刀(23)ら。髪を丸刈りやベリーショートにして撮影に挑み、全員がダンス未経験だったためクランクインの2カ月半前から練習を開始。NOPPOによる、ストリートダンスを軸とした振り付けを体に染み込ませ、クライマックスの迫力あるダンスシーンが生まれた。

作品には「もう一度、前を向く」というメッセージが内包されている。主演の髙橋は「全身全霊で撮影に臨んで、『きっと誰かを救う映画になる』と信じて1シーン1シーンに挑みました」と回想する。願いは1つ。「完成した映画を観た時、どうしようもないぐらいに『この映画が誰かに届いてほしい』と思いました。かけがえのない作品になったと思います」。かつての自身が救われたように、深い祈りを込めた。

撮影は今春、約1カ月半にわたり香川県の小豆島や高松市、東京都など関東近郊で行われた。

◆塀のない刑務所 一般社会に近い環境で、受刑者が生活し働きながら社会復帰を目指す開放的処遇施設。全国の刑務所から選抜された模範囚のみが収容され、円滑な社会復帰と再犯防止を目的としている。現在、国内には愛媛・広島・千葉・兵庫の4カ所にあり、今作は愛媛県今治市の施設をモデルに描かれている。